CASE4 財産調査、遺留分に争いがあったケース

CASE4 財産調査、遺留分に争いがあったケース

2023.09.29解決事例
【相談内容】

約10年前に亡くなった父の相続について、遺言があったような記憶はあるけれども内容が定かではないまま、半年前に母が亡くなったことをきっかけに、相続についてどのような手続きを進めていけばよいか迷われてご相談にいらっしゃいました。父母の遺産について、不動産があることはわかっていたものの、金融資産の有無や具体的な内容は不明な状況でした。
【相談後のご状況】

遺産としてはっきりしていた土地の登記を確認すると、父から母へ、母の死後は、母から姉へ、所有権が移転していることが判明しました。依頼者様のご記憶と登記の内容から、父母ともに遺言がある可能性が高かったことから、管轄裁判所に遺言の検認申立の照会と謄写申請を行ったところ、父については自筆証書遺言があったことがわかりました。
母については、裁判所では該当がなかったため、亡くなった住所に近い公証人役場で照会したところ、公正証書遺言があることがわかりました。遺言によると母は、姉にすべての財産を相続させていたため、姉に対し、遺留分侵害額請求を行いました。
不動産の評価について意見の対立があったため、双方が不動産の価格を調査したうえで、話し合いにより評価額を決めていきました。また、過去の通帳の履歴から、姉が母の生命保険金を受領している可能性があったため、内容の開示を求め、遺留分侵害請求の対象となる遺産の範囲を確定させました。最終的にはお話合いにより遺留分の金額を合意し、任意に支払いを受けて解決に至りました。
【先生からのコメント】
亡くなってから相当程度の時間が経っていると、相続についてどういう手続きをしたのか、記憶が曖昧になってしまうことはよくあります。
何かに印鑑を押したような記憶はあるけれど、どういった書類でどういう内容であったのか、手元に控えがなくてわからない、相続の話し合いの手続き自体をどうやって進めてよいかわからない、というご相談も多くお受けします。
法律家がお話しを伺うと、依頼者様のお話しの中に、遺産の所在や手続きを進めるヒントを見出すことができます。どこから初めていいのかわからない、何をすればいいのかわからない、という時点からこそお手伝いができることもたくさんありますので、お一人で悩まれることなく、まずはご相談にいらしてみてください。